カウンセリング・オフィス開業に向けて

カウンセリング・オフィス開業に向けて

カウンセリング・オフィス開業に向けて

来年の春あたりに、カウンセリング・オフィスを開業できたらと思っています。

場所は、友人が児童発達支援の事業所をちょうどその時期に始めるので、その一室をお借りしようかと思っています。

 

 

どんな人を対象にするか。今はスクールカウンセラーをしているので、小学校中学校の子どもを持った保護者の方を考えています。

特に発達障害の子どもと会う機会がかなり多いので、そういった子どもを持つ保護者の方、またはいわゆる「グレーゾーン」といわれる発達障害まではいかない、でも定型発達ともいえないような子どもをもつ保護者の方を対象にしたいと思っています。

私は、スクールカウンセラーの体験の中で、学習障害(LD)の中でも「読み書き障害」のお子さんと数多く会ってきました。こうしたお子さん達はそれぞれがとても個性的で、二人として同じお子さんはいません(もちろん、他の発達障害でもそうですが)。

それぞれに合った勉強法、支援方法を考えないと、子どもの能力は発揮できません。

こうした支援方法を保護者の方と一緒に考えてみたいと思っています。

 

 

もちろんそれだけではなく、認知行動療法心理療法ユング派の大学院を出ています)、ペアレントレーニング、発達障害の子どもを持つ親の集まりなどもできたらと思っています。

さらに、そこのカウンセリング・オフィスを手伝ってもらえる臨床心理士仲間と、引きこもりの親のグループを作りたいと話しています。

 

 

夢はいろいろ膨らみますが、まずは始めてみないことにはどうにもなりません。来年春に向けて、準備をしていこうと思います。

カウンセリング・オフィスで扱う相談内容

今現在、私が考えているカウンセリング・オフィスで扱いたいと思っている相談内容です。

 

・引きこもり

 学校や職場での失敗により、社会に戻ることが難しくなり、家にこもった状態になった人。この場合、引きこもっているご本人はカウンセリングに来ることは難しいので、親御さんが来られると思います。親の本人に対する関わり方が、本人の自立に大きく関わってくると考えられるので、親の関わり方を中心に考えていきます。

 

発達障害(グレーゾーンを含む)

 発達検査を含む医師の診察で発達障害と診断されている人、また診断はされていないが、発達障害ではないかと疑っておられるご本人、もしくは親。

 発達障害には、自閉症スペクトラム(コミュニケーション、想像力、社会性の3つに障害を持つと言われています)、注意欠如・多動症(衝動性、過活動、不注意)、学習障害(読み書き障害、算数障害)、発達性協調運動障害(不器用、極端に運動が苦手)があります。

 まだ診断を受けていない場合は、こちらで発達検査を行い、この障害ではないかという推定を行います(医師ではないので、診断はできません)。その上で、どんなことに困っているかを聞き、対策としてはどんなことが考えられるかをご一緒に考えます。

 すでに診断を受けている方の場合は、やはり現在の困りごとを聞き、どんな工夫でその困りごとが乗り越えられそうかを考えていきます。

 

・不安(パニック障害強迫性障害、社交不安障害、心気症、恐怖症)

 パニック障害は、突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態のことです。

 このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。特に、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。 

 強迫性障害では、自分でもつまらないことだと分かっていても、そのことが頭から離れない、分かっていながら何度も同じ確認を繰り返してしまうことで、日常生活に影響が出てきます。

 意思に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締まりなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。

 

うつ病(気分の浮き沈み、気分障害双極性障害

 眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ秒の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。

 脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。

 うつ病には、まずは医師による薬物療法が非常に有効ですが、それに加えて認知行動療法も効果が高いことが分かってきています。

 

不登校

 学校に行けていない、行かない状態の児童・生徒のことです。

 行けない・行かない理由は様々で、その理由を探ろうとしても、解決には結びつきません。

 私が思うには、親の言うことを聞いているうちは、親が指示を出していく(トークンエコノミー法など、行動療法的な手法を用います)ことで、学校に戻れていくことが多いようです。

 しかし、自分なりの主張が出てくる年代になってくると、本人の主張と親の思いをあわせていく必要が出てきます。

 親の思いばかりを優先させるのは、本人にとってはつらい結果になるのではないでしょうか。やはり、本人の思いに親があわせる必要があるのかもしれません。

 もしも学校に行かない状態を続けるのであれば、日中の活動場所を考える必要が出てきます。本人の好きなこと、やりたいことを優先し、やらないといけないこと(勉強)は、少しあとからでもいいでしょう。

 元気が出てくれば、勉強もできるようになってくるかもしれません。

 あまり将来のことを不安に思いすぎず、まずは今を楽しく過ごすことを目指すと、親も本人も楽になれるのではないでしょうか。

 参考書籍:「学校へ行けない僕と9人の先生 (アクションコミックス)」「学校に行きたくない君へ」(どちらも私が持っていますので、オフィスに来ていただければお貸しできます)

 

・DV(ドメスティックバイオレンス

 配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力のことです。

 加害者は男性・女性どちらもありえますが、女性に対する暴力の方が多いようです。

 また、暴力の原因としては、夫が妻に暴力を振るうのはある程度は仕方がないといった社会通念、妻に収入がない場合が多いといった男女の経済的格差など、個人の問題として片付けられないような構造的問題も大きく関係しています。男女が社会の対等なパートナーとして様々な分野で活躍するためには、その前提として、女性に対する暴力は絶対にあってはならないことなのです。

  DV被害者に最も多い精神健康障害はうつ病と外傷後ストレス障害(PTSD)であり、シェルターに逃げてきた被害者に対する調査では、うつ病は4割から6割、PTSDは3割から8割の被害者に診断されます。うつ病PTSD以外にも自殺傾向・不安障害・身体化障害・アルコールや薬物乱用がしばしば認められます。また長年の暴力被害により、話がまとまらなくなっていたり、極端に自信を喪失していたり、過度に自責的になったり、人を信用できなくなっている被害者も少なくありません。


 これらの症状に経済的な不安等が加わって、被害者はしばしば加害者の元から逃げてはまた戻ることを繰り返します。被害者の中には自分の被害を医療者にも相談できなかったり、あるいはDV被害と現在の心身の不調を結び付けられなかったりする人もいます。

 加害行為からのがれたあとも、うつ病PTSDの症状は長引くことがあり、長期的な視点に立った息の長いケアが必要です。失われた自信や主体性を取り戻すことが回復の大きなポイントになります。また親族のもとに被害者が逃げた場合、具合の悪さが長引くことから親族間の関係がギクシャクしてしまうことがあります。被害者とその子どもの状態を理解し、長い目で援助していくことが重要です。

 近年ではDVにさらされた子どもたちの心身の問題も徐々に知られるようになって来ました。身体的に直接的な虐待被害を受ける子どもも少なくありませんが、DV状況の目撃そのものも虐待のひとつです。シェルター滞在中の調査では心理的ケアを要する臨床域にあるとされる子どもは8割に達するとの報告もあり、今後の重大な課題となっています。また被害親子の精神健康は相互に影響しており、両者のケアがリンクして行われるのが理想的です。

 もしも現在、配偶者からの暴力(身体的な暴力のみでなく、精神的な暴力、経済的な暴力、避妊をせずに性行為をするなどの性的な暴力もあります)にあっているなら、市町村の女性相談窓口(各地域によって名称が異なるので、注意してください)に相談されるか、女性相談所にお電話ください。下記のリンクには、全国共通の相談電話、メール、チャットのリンクがあります。 

DV相談プラス|内閣府 DVのお悩みひとりで抱えていませんか?

 

・対人関係

 職場や学校、ママ友との人間関係など、人との関係では悩みがつきないですね。誰かに相談することで、解決の糸口が見えてくるかもしれません。

 

・いじめ

 学校や職場でのいじめについて、本人やご家族からの相談をお受けします。

 

 

 参考:こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

ドメスティック・バイオレンス(DV)と心身の健康障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)